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2007年6月 ヨセミテ国立公園を訪ねて 

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久しぶりに一人旅を思い立ち、アメリカ カリフォルニア州のヨセミテ国立公園を訪れ、園内カリーキャンプのテントキャビンに6泊し、ハイキングを楽しみました。

これは、その時の思い出です。

1日目(6月9日)  

UA866便はam9:00定刻通りサンフランシスコ国際空港(SFO)に到着した。

空港出口すぐ横の地下鉄(BART)に乗り、バルボアパークでリッチモンド線に乗り換え終点のリッチモンド駅で降り、アムトラック鉄道のホームの長いすに座り、久しぶりのタバコに火をつけた。

ガイドブックやインターネットの情報から思い描いた手順通り、トラブルもなくここまで来た。

バルボアパークでの乗り換えで迷ったが、コスタリカから来たビジネスマンが私の乗る電車が発車するまで見守ってくれた。

アムトラック鉄道、リッチモンド駅         

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リッチモンド駅はアムトラックとBARTが同じ建物内、アムトラックの切符は券売機か車内で購入できる。

ホームには誰でも入れるし、係員はいない。 

駅周辺の雰囲気もあまり良くなかったので、時間待ちするならBARTのホームの方が良かったかも

私が乗るサンホアキン号716便がホームに到着、これに乗ってマーセドへ行けばあとはバス(YARTS)が公園まで接続している。

列車が出発して不安になった。

SFOからBARTでここに来た時と同じ北の方向に進んでいる。

目的地のマーセドはここから南に位置する。

乗るとき係員に確認したので、方向オンチの私の勘違いだろうかと思ったが、地図で見ても湾を左に見ながら北へ進んでいる。

時刻表の到着駅を地図で追いながら、北に進み時計回りに南へ進路を変えることを知り、納得した。

アムトラック鉄道、マーセド駅 

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リッチモンドもマーセドも駅構内に売店はない。

スーパー、レストランは歩いて10分以上

確実で安くあげたかったので食事はアムトラックの車内で昼食をとり、そこで夕食用にサンドイッチを買った。

トンネル・ビューからのヨセミテバレー

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東京都の1.5倍の広さを持つヨセミテ国立公園(ビジターセンターの説明ではロード・アイランド州と同じ)

その中央に氷河で削られたU字谷が東西に伸びている。

1000mの断崖にはさまれたフロアー(谷底)、ここが観光の中心であるヨセミテ・バレー

バレー内には宿、キャンプサイト、食料品店、レストラン、GS、診療所、郵便局、ギフトショップ、ビジターセンター、博物館等の設備がある。

マーセドからのバスは快調にとばし、やがて深い森に吸い込まれる。

大木の隙間から白い壁が見える。窓に寄り、見上げるとかすかに空が見える。

ヨセミテ国立公園に入ったのだ。

このバスはアムトラックからヨセミテまでの連絡定期バス、観光バスでないのでガイドはない。

無口な運転手、“ウエルカム”ぐらい言っても良さそうなものだ、と思った。

カリー・キャンプでバスを降りる。

テント・キャビンでの宿泊は日本からインターネットで予約した。

オフィスに入り予約確認書を見せチェックインを申し込むが、落石で一部閉鎖となりハウスキーピング・キャンプ(壁1面と天井だけ)に移ってくれ、と言われた。

こういう場合、あっさり“YES”と言わずきちんと断ればなんとかなる。

なんとかなったことを思うと、私より後にチェックインする人のことを考えて、早めに移動させたかったのだろう。

チェックインに手間取り、シャワー、食事を済ませると10時を過ぎていた。

ベッドに潜り込む。

カリーキャンプのテントキャビン

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ダブルベッド 1、 シングルベッド 2 快適

$77/1泊、朝食付(パビリオンビュッフェ) 

トイレ、シャワーは共同  

熊対策として、料理はもちろんテント内に食料の持ち込みは禁止されている。

駐車場横に金属製の食料保管ボックスがある。

食事はレストランもしくはピザ屋さんと食料品兼ギフトショップ前のテラスを利用する。

ハーフ・ドーム(カリーキャンプより)

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上の写真はカリーキャンプから、下の写真はグレイシャー・ポイントから見たヨセミテのシンボルともいえるハーフドーム

ここバレーフロア(谷底)から往復27km、高低差1450m、

ドーム頂上に立ちたい。 それが今回の旅のきっかけ

左のコブまでは歩いて行けるが、後はケーブル(ワイヤーロープ)で・・・・

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2日目(6月10日)・・・終日ハイキング バレーフロアー内 

6時起床

時差ぼけはない(人からは天然ボケと言われるが)

朝食のパビリオン・ビュフェが開く7時まで、散歩してキャンプ内の地理を頭に入れる。

北へ5分ほど行くと草原になっていて、周辺の岩山が良く見える。

グレイシャー・ポイント、ハーフドーム、ノースドーム、ヨセミテ滝と声に出し、圧倒されそうになる景色を見ながら、気持ちが高ぶるのを感じた。

オフィスで聞いた落石の現場に寄ってみた。

“danger”と書かれたロープで囲われた数棟のテントの上部には真新しい石が迫っていた。

ここでは侵食より剥離による落石が多いという。

小さな落石と言っていたが、NPSの発表では重さ60tで大きさ20㎥、仮に厚さ1mとすれば幅4m、長さ5mという計算になる。

10:00pm~6:00amは“quiet time”,10時を過ぎるとキャンプ内は隣のテントの床を歩く音が聞こえるぐらい静かになる。

規則はよく守られ、食料持込禁止のせいかどこかの国のように宴会で盛り上がる、ということはない。

たまに聞こえるのは熊の訪問に驚く女性の悲鳴、追い払うための金属音、パトロールの車の音ぐらいだ。

落石があったのが夜中の3時、キャンプ内にその音が轟いたことだろう。

朝食を済ませ、今日は1日バレーフロアー(谷底)を歩いて廻ることに決めた。

ここから東へ進み、時計と反対周りに一周しよう。

シャトルバス

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フロアには無料のシャトルバスが循環している。オープントラムによるツアーも数回/1日ある。

シャトルバスは3日目からの、ハイキングのトレイル入口までとツアー集合場所への移動に利用した。

ミラーレイク

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ミラーレイクへはバレー内でできる手軽なハイキングコース

南側(写真右)はハーフドーム、私のカメラでは入らない

一脚を立て、さまになっていたバーバラさん

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ノース・ドーム

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アワニー・ホテル(ビレッヂにある唯一の高級ホテル $400以上)

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カリー・キャンプを出発してハッピーアイルからマーセド川沿いのトレイルに入り、ミラーレイク、アワニーホテル、ヨセミテビレッヂの順に歩いた。

フロアー内は松や杉など常緑樹の大木が目立つが、つつじ、かえで、ライラック、はなみずきなどの低木も多い

今は6月、はなみずきはほとんど花が落ち青い実をつけていた。 春は白い花で、秋は紅葉で谷を彩るのだろう。

平坦なフロアーをマーセド川がゆっくりと蛇行し、川面が輝いている。

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ビレッヂ内で昼食を済ませ、アンセルアダムス・ギャラリーやビジターセンターを見学した後、また歩き出した。

ヨセミテ・ロウアー滝までのショートハイキングの後、ヨセミテロッヂ、センチネル橋と歩き、キャンプに戻ったのが7:00pmだった。

 Cimg07ヨセミテ滝

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上からアッパー滝(落差436m)、カスケード滝(206m)、ロウアー滝(97m)   アメリカ一

ヨセミテ・ロウアー滝

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バレー内には所々、草原があり景色がすばらしい。

センチネル・ロック

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センチネル橋からハーフドーム 

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マーセド川とヨセミテ滝

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園内では各種観光ツアーのほか、乗馬、ラフティングが楽しめる。

ここはヨセミテ・ロッジと4マイル・トレイル登り口の間に位置し、西側は草原となり、深い谷が続く。

人も少なく、フロアー内で気に入りの場所となった。

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カリー・キャンプのゲート(右はグレイシャー・ポイント)

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カリーキャンプにある野外ステージ

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ここの右側にレストラン、ピザ屋、ギフトショップ、山用品店が立ち並び、ハーフドームも見える

ステージの奥にはノースドームが見える。

後ろは絶壁近くまでログ・キャビン(180棟)、テント・キャビン(400棟)があり、グレイシャー・ポイントが見える。

ここでは毎晩8:30からヨセミテの成り立ち、自然、初期のカリー・キャンプなどの記録映画が、上映される。

それによると20世紀の初期、観光事業開発の進んだ頃は、ビッグ・バンド付きのダンスホール、プールがあり、冬はスキー、スケート、ボブスレーまであった。

毎夜9時になるとグレイシャー・ポイントから燃える木を次々落とす“ファイヤー・フォール”(火の滝)というイベントがあったという。

またモータリーゼーションと重なる時期でもあり、急増する観光客の胃袋を満たすため、園内で牛まで飼われていた。

自然保護の観点から現在このようなことは行われていない。

今まで何度かアメリカの国立公園を訪れ、自然の保護、管理には常に関心していたのだが、それは失敗による改善の積み重ねと公園局の精神である「あるがままの自然」と「誰もが利用」という相反する要求を満たすための努力があったことを知った。

3日目(6月11日)・・・終日ハイキング ハーフドームへ

高低差1460m 距離27km

(クリックすると拡大します↓)

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どのコースからと迷ったが、疲れや故障の出る前にと、今日ハーフドームを目指すことにした。

出発時間にも迷った。

昨日、シャワー待ちで知り合ったグループは6:30に出発すると話していた。

日の出は5:30、日没20:20までに帰るにはなるべく早出がよいのだが、

ビュッフェでの朝食(7:00~)をムダにしたくなかったのと、7:00運行開始のシャトル・バスを利用して、わずかな距離だが楽をしたかった。

ハッピーアイルでバスを降り、ミスト・トレイル登山口を出発したのが、8:00だった。

マーセド川沿いを緩やかな登りが続く。

ゆっくりペースなので他のハイカーが私を追い越していくが、昨日の疲れは残っていないようだし、景色を楽しむ余裕もある。

深い森、切り立つ白い岩肌、澄んだ青空、鳥のさえずり、それらが疲れを忘れさせているのかもしれない。

左カーブで振り返ると、遠くヨセミテ滝が見える。

マーセド川を渡る橋のそばにある水飲み場を過ぎると、川沿いに道は徐々に勾配を増しトレイルは花崗岩で作られた階段となり、左前方にバーナル滝(落差100m)が見えた。

バーナル滝

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滝からの飛沫で濡れた階段をのぼり、滝つぼの見える位置で小休止、

振り返ると川から伸びた虹が、弧を描いて目の前の岩に張り付いている。

滝の上まで行くと落ち口まで近づくことができ、迫力がある。

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 さらに林の中のトレイルを進むと、腹の部分がきれいなオレンジ色のOriole(ウグイス)やコバルトブルーのSteller’s Jey(カケス)が出迎えてくれた。

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マーセド川が作り出すエメラルド・プールやウォーター・スライドを左に見ながら、登りに入ると、ネバダ滝(落差180m)、これを右手に見ながらしばらく行くと分岐点に着いた。

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右はパノラマ・トレイル、グレイシャーポイントへの道

左がハーフドーム・トレイル、ドームまで4.5マイル(7.2km)と鉄板に文字を切り抜いている。

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これからが本番、マーセド川の水で体を冷やしながら進む。

次の分岐点では右へ行くとマーセド湖となっていて、マーセド川とはここでお別れ。

ヨセミテバレー周辺を歩く今回の旅では、山中で湖に出会うことはないだろう。

巨木と白い花崗岩に囲まれた静かな湖を想像し、ジョン・ミュア・トレイルに点在する湖巡りも面白いと思った。

 

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その名が示すように卵を半分に割って山に突き刺したようなハーフドーム、割られた断面が垂直な絶壁になっていて、とてもユニークで美しい。

バレーフロアーから見ると、その壁面が正面に見え、ドーム頂上にかかるケーブルは左(北側)に設置されている。

私の歩くルートはフロアーから見て右側から始まり、今は壁面の反対側を巻いて歩いている。

トレイル左側の草木のないなだらかな斜面に足跡があるので、気になって丘の上まで歩くと、ドーム壁面の反対側、丸く膨らんだ部分が見えた。

まるで巨大な鏡餅、雨による侵食でできるのだろうか白、ベージュ、黒の縦縞模様が美しい。

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マーセド川と別れた後、平坦部を過ぎ、林の中の登り道へと入った。

やがて視界が徐々に開け、右にシェラネバダ山脈が見え、前方に巨大なドームがその姿を現した。

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岩場に入る前に昼食をとる。 pm1:00

岩場を登る そして、ハーフドーム登頂への最後のステップであるケーブルの登り口に着いた。

“卵のように”と書いたが、目の前にあるものはまさに卵だった。草木の生えていない灰色の大きな固まり、生まれたばかりの硬い質感、今にも剥離しそうに表面に走る亀裂、

頂上から2本のケーブルが垂れ下がっている。

登り始めて分かったのだが、2~3m間隔で鉄製のくいが打ち込まれ、ケーブルを支えている。

くいの根元には角材置かれているので遠くから見ると沢山の人がはしごにぶら下がっているように見える。

前後に人がいることによる安心感からだろうか、実際に登ってみると思ったより恐怖感がない。

昇り降り兼用の一本道なのでペースはゆっくり、私にはこの登り口までの岩場のほうがきつかった。

しかも角材の上に立つと安定するので体力を消耗しないし、景色も申し分ない。

このケーブルは5月下旬から10月初旬までの間だけ設置される。

安全で、取り外し可能、岩へのダメージも最小、うまく考えたものだ。

高い所が苦手な人には下りがきついかもしれない。

中年の女性が歩幅10~20cmで恐る恐る降りてくる。

あまりの緊張感に声をかける人もいなかったが、無事降りることができたようだ。

多少の緊張感は必要であるし、あわてず確実にケーブルをキープすることが重要

2本のケーブルの外を、追い越しながら降りる若者がいたが、先程の女性より見ていてひやひやした。

状況がどうだったの分からないが、残念にも私が登った日の5日後日本人の男性がここで転落死した。

頂上に着いた。

達成感はあったし、ながめも良かったが私にとっては登り口からのドームのながめやケーブルでの体験のほうが楽しかった。

ハーフドーム

(クリック拡大すると、登っている人が見えます)

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日本から持ってきたガイドブックに書いているトレイルの所要時間が参考になった。山岳マップと違って、私のように写真を撮って、のんびり歩くタイプに焦点を当てているのだろう。

例えばこのハーフドーム往復10~14時間となっていたが、実際11時間だった。

ちなみにオフィスの係員は8時間といっていた。(若く見られたのかも)

このコース、水2リットル必要

ハーフドーム・トレイルに入ってから後半は日陰が少ない上、気温は30度を越える。

1リットルしか持たなかった私は、帰りほとんど脱水感覚で水場にたどり着いた。

その時の水はゴルフの後のビールよりおいしかった。

4日目(6月12日) グランド・ツアーに参加 am8:00~pm4:00

カシードラルロック、スパイアーズ

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ヨセミテ・バレーで参加できる観光バスツアーは4種類あるのだが、とりあえず私は所要時間の最も長い“グランド・ツアー”に申し込んだ。

他のツアーは当日予約でも参加できると思ったからだ。

ヨセミテロッジ前でバスに乗り、カシードラルロックが正面に見えかわいい花が咲きそろう草原に寄った後、バレー内を抜け、グレイシャー・ポイントを訪れた。

ここはヨセミテ内観光名所の一つで、高さ2200mの展望台からヨセミテ・バレー、周辺の山々、シェラネバダ山脈を見渡すことができる。

特にバレーから盛り上がる岩山、さらにハーフドームまでのタワーのようにそびえるその姿は巨大な彫刻だ。

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バスに戻り本ツアーのメインであるマリポサグローブに向かった。

途中昼食のためワオナ・ホテルに寄った。

ホテルに着く前に運転手が窓越しに面白いものを見せてくれた。

私が好きな“マディソン郡の橋”にでてくるような屋根付き橋だった。

いつか訪れてみたいローズマン・ブリッジとそっくりの橋が彼の合図「1,2,“”」で一瞬見えたのだ。

できれば近くに行って渡ってみたいと思ったのだが、ツアーの予定には入っていなかった。

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マリポサグローブ

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マリポサグローブは巨木セコイヤの群生地

バスを降り、オープントラムに乗ってここを廻る。 所要1時間

500本ある中で、最大は樹齢2700年、根元の直径8.7mのグリズリー・ジャイアント、

根元をくりぬいて通り抜けできるトンネル・ツリーもある。

くりぬかれた天井から染み出た樹液が群がる観光客に何かを訴えているようだ。

途中、ミニ博物館にも寄った。 ヘッドホンでの日本語解説がありがたい

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マリポサグローブの観光を終えバスは一路ヨセミテバレーへ

日本の観光バスと違って運転手がガイドを兼任する。

ケビンスペイシーに似たビルという名の運転手、味のある声でよどみなく語る。

ヨセミテの成り立ちなどカリービレッジの野外劇場での映画に似た内容を語っているようだ。

“これから私の大好きな話をしよう”と言って始めたジョン・ミュア物語は詩の朗読か心地よい4ビートのジャズを聞いているようだ。

そんな彼に感心する一方、内容をほとんど理解できない自分が情けなかった。

バレー手前のトンネルを抜けた所にある展望台、トンネル・ビューに寄った。

東に向かってバレーを一望できる。

左にエルキャピタン、右にブライダル.ベール滝、中央手前から奥に緑の谷が続き、その奥にハーフドームが小さく見える。

美しい自然が広がっている。

幅20~30メートルの展望台をゆっくり歩きながら景色を見た後、気に入った場所に戻り、シャッターを押した。

グランド・キャニオンを訪れたことがある。

その雄大な渓谷を見て感動し、日本に帰り夏が来るたびに思い出し、又、見るだけでは飽き足らずその後3度訪れた。

キャニオンが圧倒的なスケールとここは地球上なのかと思わせるような不思議な魅力を持っている一方、ここヨセミテには古代から生物を受け入れ続けているような親近感がある。

ここからは見えないが森の中には川が流れ、さまざまな生物がいることを私は知っている。

今にも時代を越えて、突然先住民やディズニーのアニメ映画に出てくるような恐竜達が現れてきそうな、そんな気にさせてくれる。

世界遺産としての価値やそれを保護することの意義を論ずるつもりはないし、私にそんな資格もないだろう。

ただ一人の旅人としてこう思う。

時が過ぎ、感動したという記憶だけが残ったころ、再びここに来るのかもしれない。

その時のために、このままの自然を残してほしいと

無駄な努力と知りながら、忘れないようにと頭に刻み込む思いでこの景色を見つめた。

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エルキャピタン

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ツアー最後に寄ったエルキャピタン

世界一大きい花崗岩 高さ1000m

ロッククライマーの姿は肉眼では見えなかった。

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5日目(6月13日) 終日ハイキング グレイシャー・ポイントとセンチネル・ドーム

高低差1250m 距離26km

ヨセミテロッジでシャトルバスを降り、4マイル・トレイル登山口へは歩いて15分

急な登りをスイッチバックを繰り返しながらグレイシャー・ポイントを目指す。

ヨセミテ滝(4マイルトレイルから)Cimg1788s_1

昨日バスでのんびり観光だったので、足の疲れは取れたようだ。 

途中見晴らしの良い場所が数箇所ありヨセミテ滝、ハーフドームを見ることができるが、なんといってもここからの絶景はセンチネルロックとエルキャピタンの見える西側の景色だろう。

センチネルロックとエルキャピタン Cimg1790s_1

まさしくU字谷がそこにある。

トレイル沿いにはかわいい花をつけた野生植物も数多く見られ、その中で特に印象深かったのはスノー・プラントだった。

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日陰の草の生えていない場所で枯れ枝の多い土の中から育った20cm位で、茎、葉、花(この表現が正しいか自信ないが)全てが赤い、不思議な植物だ。

光合成を行わず、葉緑素を持っていない。

群生しないのだろうか 3回出会ったが、どれも一人ぼっち

何を楽しみに生きているのか分からない変なやつだった。

北米にしかいないのだろうか?

イギリスから来たカップル、台湾から来た女性 皆さん 始めて見た、と言ってた。

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 グレイシャー・ポイントに到着

昨日観光バスでここに来ているせいか、ここまで歩いて来た、という達成感がない。

富士山にしても頂上まで車で行けるようになったら、雲海からの朝日やお鉢めぐりも感動薄いものになってしまうかも

展望台の一角にある花崗岩に真鍮製の三角点標識が埋め込まれていて、そこには“標高7214フィート、盗ると罰金250ドル、1905年”と書かれている。

当分値上げしなくても盗られる心配はないだろう、と思った。

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ギフトショップにある軽食コーナーで昼食を済ませ、一通り景色を眺めた後、ここから2㎞離れたセンチネル・ドームというピークに寄ることにした。

センチネル・ドーム

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ここからは360度見渡すことができ、日陰のない坊主頭のような場所なのだが、風が強くさほど暑さを感じない。

人が少ないこともうれしい。

裸になって、ハーフドームの見える位置で仰向けになってタバコを吸った。

ここからのハーフドームは女性的というより女性の横顔に見える。

右側の丸い部分はロングヘアーを日光の反対側で陰になった壁面はひかえめな表情を想像させる。

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センチネル・ドームをあとにして,来た道を引き返し、分岐点に来て迷った。 時刻は3時

まっすぐ行けば今日来た4マイル・トレイル、下り2~3時間

右に曲がればパノラマ・トレイル、5~6時間とガイドブックに書いている。

水は充分あるが、足は大丈夫だろうか?

パノラマ・トレイルに入って、途中日没を迎えてもミスト・トレイルまで行けば一昨日通った道、なんとかなるだろう。

仮にトラブったとしても、それはそれでいい思い出になるだろう。

ここでの滞在も明日1日を残すだけ、疲れたら明日はトラム・ツアーにでも参加して、バレー・ビューやブライダルベール滝へのミニハイクでもいい。

カリー・キャンプでのんびり読書だっていい。 右に曲がることにした。

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パノラマ・トレイルの名が示すとおり、ハーフドームから東の広々とした絶景が続く。

バーナル滝、ネバダ滝、リバティーキャップ、シェラネバダ山脈、澄み切った青空

景色に見とれて、トレイルを外れそうになる。

大きな松かさが、枝からぶら下がっている。

このあたりには常緑樹の種類が多い。

ビジターセンターで買ったオーデュボン協会発行のポケットブックを取り出し、幹の模様と葉の形状で木の名前を調べる。

杉、松、樅、マリポサグローブで見たセコイアの木も育っている。

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暑い。

岩場から染み出している水があると、それで頭や肩を冷やし、日陰に入りグレイシャー・ポイントで買ったシホン・ケーキを食べる。

切り立った崖があると近づいて覗いてみる。

イリオエット滝が間近に見えた。

川を見つけると水浴びをした。

時間のことなど、どうでもよくなり今を楽しむことに没頭した。

 

イリオエット滝

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トレイルは登りに入り、林の中を進む。

峠を越えるとネバダ滝が見え、下りに入りまた林の中・・・・  

 

 リバティーキャップとネバダ滝

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今度は何が見えるのだろう。

気がついたら走り出していた。  

ジョンミュア・トレイルに入り、左の崖から染み出す水で雨のように降り注ぐ場所で小休止

下りに入るとまた走る。

ミスト・トレイルに着いたのがpm7:00だった。

キャンプに戻り、シャワーを済ませ、食料を買い、テラスでビールを飲みながら思った。

明日はヨセミテ滝の上まで行ってみようと

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6日目(6月14日)・・・終日ハイキング ヨセミテ・ポイントへ

ヨセミテ・キャンプ前でシャトルバスを降り、トレイルに入る。

今日も楽しいハイキング

4マイル・トレイルと同様スイッチバックの連続、途中下りが入ってアッパーフォールの滝つぼの見える場所に着いた。

ヨセミテ・アッパー滝Cimg1849s

頂上から落ちた水は霧状になって幅を広げ、風が吹くとレースを揺らすようにその姿を変える。

私が抱いていたイメージと違って、女性的な滝だ。

 

Cimg1922s 今朝ビュッヘで知り合ったサンフランシスコ在住の日本人が今年は雨が少ないと言っていた。

ガイドブックによると雪が解け初夏にかけてバレー内に滝の爆音が轟くそうだ。

今回の旅行にこの時期を選んだ理由は、ハーフドームの登頂解禁が5月下旬、そして7月になるとヨセミテ滝が涸れてしまう、ということだった。

しばらく休憩して、歩き出した。

分岐点のない一本道、迷うことはない。

アッパー滝は落差 436m、今日のハイクは標高差 850m、中間点あたりを歩いている。

左(西側)は絶壁が頭上高くそびえている。

トレイル近くに堆積している落石や今にも倒れそうな巨大な石を見て、通行止めもあるのでは、と思った。Cimg1862s

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そんな場所で、岩場に張り付いた高山植物のかわいい花を見るとホッとする。

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やがて滝は視界から消え、手摺付きの岩場を通ってその終点で滝の落ち口を見る。Cimg1906s

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岩場を戻り、滝の上流に着いた。

川に架かる橋と標識以外、人工物はない。

橋の下で食事をするグループがいる。 私はここから1.6km先にあるヨセミテ・ポイントに向かった。

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 ヨセミテ・ポイントは自然の展望台になっていて見晴らしが良いのだが、ここの手摺には近寄りがたいものがあった。

近くに傘雲のような岩があり、日陰でバレーを見下ろしながら、昼食と昼寝

聞こえてくるのは松葉を揺らす風の音と鳥のさえずりだけ

至福の時を過ごす 

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 ヨセミテ滝上流Cimg1895s

ヨセミテ・ポイントからの帰り道、川に寄ってみた。

ヨセミテ滝落ち口から1km程行くとハイカーと会うこともなく、きれいな川を独り占めできる。

 狐にも会えた。

時間があればもっと奥にはいりたかった。

熊にも会えたかも

 私はだめだったがヨセミテで知り合った方たちのほとんどがヨセミテで熊を見たそうだ。

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見る場所によってさまざまな顔を見せてくれたヨセミテ滝、一つの滝をこれほど多くの場所から見たことはない。  

滝の側面から遠景を見てもう一つ飽きないものがあった。

大きな石といえば、それまでのハーフドーム

しかし、これにあこがれ、出会い、これに登り、毎日、毎夜これを見る。

一人ぼっちの巨大な生き物に見えるのは、もちろん私の中にあるドームへの思いからくるものだ。

世の中にはもっとすごいピークがあり、それを目指す登山家達はその道程が過酷であればあるほど征服欲に駆られるのだろう。

ヨセミテにもそんな人達がいる。

彼らは今でもここからわずか数キロメートル離れたエルキャピタンで岩に張り付いている。

そして、私がハーフドームで経験したことなどとは比べものにならないようなレースに挑戦しているのだ。

自分を試すために、或いは自己満足のために

こんな話を女房にすると「それがどうしたの」とあっさり返されそうだが・・・

時刻は3時を廻っている。 そろそろ降りよう

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7日目(6月15日)

快晴、旅の間雨は見なかった。

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今日は9:32発のバスに乗り、ここをたつ。

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カリー・キャンプではシャトルバスもYARTSもここで発着

写真右奥のキオスクでツアー予約

左奥のオフィスでチェック・イン

チェックアウトは鍵を返すだけ

あっという間の6日間、楽しい時は過ぎるのが早い。

バス待ちをしながら思った。

フロアー内を見て廻るのであれば自転車を借りればよかったと、

バレービューやブライダルベール滝も見れたのに、

ぜいたくを言うときりがないが、今回できなかったラフティング、乗馬、トラムツアー、ムーンライトツアー、行けなかったトレイル、ビジターセンターでの映画、ヨセミテ記念切手の購入、のんびり1日読書等を考えると2週間滞在したいものだ。

サンフランシスコから毎年来る、と言っていたカップルの気持ちがよくわかる。

帰りのバスに乗り込む。

アムトラックへの連絡バスはバレーを抜け、低木の広がる一般道に入る。

ともあれ、よく歩いたものだ、ハイキングでは計画以上の場所に行くことができた。

8年前に断念したあることを思い出した。

それは「富士山より高い所へ登りたい」という思いだ。

30代の頃はハイキングが好きで週末は山へ、信州にもよく出かけた。

一時はアフリカのキリマンジャロを夢見た私、安易な方法だが、8年前のアメリカへの一人旅でデンバーからパイクス・ピークへのバスツアーに参加するが天候不順で中止となった。

その後、山から遠ざかり、考えることもしなくなっていた。

この旅で自分の体力に余力があること、自然の中に身をまかせたいという欲求には衰えがないことを知った。

デジカメを取り出し、今回撮った写真の中から私が最も好きな写真を画面に出し、拡大した。

それはハッピーアイルから少し登ったミスト・トレイルの登山口にある道標だ。

これを見ると今回歩いたトレイルを思い出す。

そして、ここには知る人ぞ知る ジョンミュア・トレイル 340km と記されている。

一ヶ月近くかかる340kmの全踏破は無理だろう。

しかし、その終点が標高4418m、アメリカ48州で最も高い場所であることを知り、“MOUNT WHITNEY”という文字を見ながら、もう一度、夢に挑戦してもいいと思った。

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